メロディーはキラキラハッピーな感じなのに、内容は絶望的。前半は麻薬による幻覚を見ながらハイになった反動で泥のように眠りこける恋人を、後半はオーバードーズによって永遠の眠りについてしまった恋人の姿を描写しているという一説が。冒頭にある謎のフレーズ(アイルランド語らしい)は何なのだろうといつも思っていたけど、フラグだったのか…
この曲を書いたきっかけとなったのはフロントマン(今はソロ)のマイケル・アンジェラコスの元カノで、彼女は彼のよく寝過ごす癖を嫌っていたそうです。それこそ死んだように長い間眠っているから勘違いして絶叫したこともあったとか。かわいっ。
And everything is going to the beat
そして、すべてがビートになる
Oiche Fheil Eoin (On the night of St John)
聖ヨハネの前夜祭で
Ni thiochfaidh me aniar (I will not come back)
私はここを発つ、そして帰らない
Oro mo churraichin o (Oh my little curragh)
ああ、私の小さなボートよ
And you said, it was like fire around the brim
そして君は言った、それは周りを囲う炎のようだったと
Burning solid, burning thin, the burning rim
厚く燃え、薄く燃え、端から燃やしていく
Like stars burning holes right through the dark
闇を貫く星の光のように
Flicking fire like saltwater into my eyes
目に塩水が入った時のように火の粉が飛ぶ
You were one inch from the edge of this bed
ベッドの端から1インチはみ出た君
I dragged you back, a sleepyhead
僕は君を引っ張りベッドの上に戻した、まったく寝坊助さんだね
They couldn't think of something to say the day you burst
君が破裂した日、彼らは言うべき言葉が見つからないようだった
With all their lions, with all their might, and all their thirst
彼らの勇気や力、願いを持ってしても
They crowd your bedroom like some thoughts wearing thin
彼らは困った様子で君のベッドルームに集まっている
Against the walls, against your rules, against your skin
壁や君のルール、肌を見ても何もわからないようだ
My beard grew down to the floor and out through the doors
僕の髭は床につき、ドアの外まで続くほどに伸びてしまったよ
Of your eyes, begonia skies like a sleepyhead
君の瞳にベゴニアが咲き誇る空が見える、まったく寝坊助さんだね
メモ
Oiche Fheil Eoin / Ni thiochfaidh me aniar / Oro mo churraichin o
アイルランドのフォークソングOro Mo Bhadinのサンプリング。
the night of saint John
「聖ヨハネの前夜祭」
Saint John's Eveともいう。洗礼者ヨハネの誕生日前日に行われるキリスト教徒のお祭り。焚火をたくのが恒例。
curragh
アイルランドのボートの名前。
brim
「縁」「帽子のつば」「溢れそうになる」
solid
「固体」「(雲や霧が)厚い」
rim
「縁」「縁取る」
right through
「始めから終わりまで」
flick
「弾く」「ピシッという音」「(水などが)はねる」
sleepyhead
「お寝坊さん」
lion
動物の「ライオン」の他に「勇敢な人」という意味も。
might
助動詞でお馴染みだけど、名詞としては「力」という意味がある。
thirst
「渇き」から転じて「欲望」「願い」という意味でも使われる。
wear thin
「すり減る」「擦れて薄くなる」「使い古された」
begonia
花の名前。
begonia skiesは眠りと死を暗示する表現として用いられているようです。棺桶に敷き詰めた花のイメージかな。ベゴニアは不幸の前触れを象徴している花なのだとか。