こんにゃくおんがく

まいにちすきなようがくりりっくをやくすだけのぶろぐ

Minor Feelings / Rina Sawayama 歌詞和訳

ロンドンを拠点に活動する日本人アーティストでモデルや女優としての活動も目覚ましい、Rina Sawayamaさん。ハーフではなく純日本人で、父親の転勤をきっかけに4歳でロンドンへ移住したのち、日本よりも自分に合っているという理由でお母さまとロンドンに残り暮らしてきたとのことです。このMinor Feelingsはそんな彼女ならではの欧米におけるアジア人差別がテーマとなった曲。タイトルは韓国系アメリカ人の詩人Cathy Park Hong氏がアジア系アメリカ人が抱く疎外感を綴った書籍のタイトルからとったそう。アジア人だからという理由で舐められたり、仲間外れにされたり、日常にはびこる小さな差別が積み重ねって大きく心を蝕んでいると歌っています。

日本にいると、日本は旅行先としてこんなに人気で、日本アニメも大人気で、日本製品の評価は世界的に高くて~といった日本は世界でも素晴らしい国だと主張するようなニュースをよく耳にしますが、実際世界に出てみると日本人だから特別扱いされるわけはなく、アジア人という大きな括りの中の一人であって、差別される側の弱い立場だということを思い知りますよね。。この曲を聴くと昔留学したときの苦い思い出が蘇ります。

ちなみに日系アメリカ人コラムニスト竹田ダニエルさんの本『世界と私のA to Z』によれば黒人に比べてアジア人差別が大きく取りざたされないのは、アジア人特有の奥ゆかしさに対する美徳や恥の概念により当事者があまり声を上げて来なかったこと、ルーツの国が違う者同士の連帯感の希薄さが一因であると言います。近年はコロナ蔓延によって多発したアジア人へのヘイトクライムをきっかけに中華系や韓国系、ベトナム系といった枠を超えて反アジアに立ち向かうムーブメントが起きているとのことです。特に日中韓はお互いによくいがみ合っていますが、差別をなくすにはまず自分が出身国で人を判断しないこと、そしてこの曲でRinaさんが書いているように、もし人種差別にあっても泣き寝入りするのではなく勇気をもってそれはよくないことだと声を上げることが必要なのかもしれませんね。

How am I supposed to feel

どう思うのが正しいんだろう

When you're telling me that nothing in my life is real?

私の人生は嘘ばかりだと言われたら

When you throw your words and hide behind a plastic shield

言葉を吐き捨てられ、プラスチック・シールドの後ろに隠れられてしまったら

I just sit and smile

私はただ座って笑顔を浮かべるだけ

 

Writing my own fairytales

自分のおとぎ話を書いて

Building forts between the sofa and the windowsill

ソファと窓枠の間に砦を築き

Dreaming of the day I'm tall enough to save myself

自分を守れるほど大きくなる日を夢に見る

But I was just a child

でも私はただの子供に過ぎなかった

 

What it takes to recognize

どうすれば気づけるのだろう

Emotions that I try to hide

隠そうとしている気持ちに

The more I keep them all inside

心の中に押し込めようとするほど

The more they bury me alive

生き埋めにされているような気がしてくる

 

All my life, I've felt out of place

ずっと、居場所がないと感じていた

All my life, I've been saving face

ずっと、自分を取り繕ってきた

Well, all these minor feelings

そんな些細な感情が

Are majorly breaking me down (Breaking me down)

大きく私を壊している

All my life, you took me for a fool

ずっと、あなたは私を馬鹿にしてきた

All my life, you told me what to do

ずっと、あなたは私に指図してきた

All these minor feelings

そんな些細な感情が

Are majorly getting to me now

今、大きく私を傷つけるの

 

メモ

"When you throw your words and hide behind a plastic shield"

コロナ流行によるアジア人へのヘイト感情の高まりからインスパイアされたフレーズ。アジア人看護師がコロナ患者から治療を拒否されたニュースを目にしたリナさんは、この些細な出来事からこれまでに経験してきた差別行為に対する思いが沸き上がったとコメントしています。

 

fort

「砦」

 

save face

「面目を保つ」

 

get to someone

「(精神的、肉体的に)堪える」「落ち込む」